海外での生活経験を持ち、大学時代には中国語を専攻したNさんは、国際営業のキャリアを目指していました。東京の有名な印刷機械メーカーに新卒で入社し、夢だった国際営業のポジションを掴むことに成功しました。
約6年間の勤務を経て、Nさんはキャリアアップを求め、関西の電池メーカーへと転職。この新たなステージで、Nさんは中国、台湾、インド、シンガポール、アメリカといった国々の子会社での営業に挑み、多国籍なビジネスの経験を積みました。この期間には、私生活でも大きな変化があり、結婚もされています。
しかし、配偶者の栃木への転勤が決まり、Nさんも生活の基盤を栃木に移すことを決意。栃木での新たなキャリアを模索する中で、当初は自身の経験を生かせる職を見つけるのが難しいと感じましたが、弊社の支援を受け、現職との出会いがありました。Nさんのこの転職体験は、多くの人にとって参考になるかと思います。
現在のお仕事はどんな内容ですか？
今は多岐にわたる機能性・化学・樹脂製品を手がける上場企業の一員です。プラスチック原料を用いた合成繊維の製造・販売を専門とする企業で勤めています。私はこの会社の繊維事業部に所属し、主に中国市場を中心に海外営業を担当しています。
私たちが扱う製品の中心は、釣り糸です。この製品は、日本だけでなくアメリカ、中国、ヨーロッパを主要市場としており、現地の関連会社や商社、代理店を通じて紹介・販売を行っています。
現在、私の主な担当地域は中国ですが、シンガポールを含む東南アジアやヨーロッパへの新規顧客開拓など、市場拡大に向けた取り組みも進めています。
営業活動は、日々の電話やメールでのコミュニケーションが中心ですが、釣具関連の展示会などのイベントがある際には、現地へ足を運び、製品紹介や市場ニーズの情報収集を行っています。海外出張は2～3ヶ月に1度のペースで、通常1週間程度の滞在となります。
私の所属する部署には合計6名のメンバーがおり、そのうち4名が海外営業を担っています。初めての業務には戸惑うこともありますが、周囲の先輩たちのサポートを受けながら、徐々に仕事に馴染んできています。
入社前のご経歴を教えてください。
父の海外赴任による幼少期の海外生活があり、この経験から英語には自然と親しむことができました。大学ではこの言語能力をさらに伸ばすため、中国語をメインに学びました。就職活動では、これらの語学スキルを生かせるキャリアとして、海外営業の職を目指しました。
最初の職場は、東京に本社を構える印刷機械メーカーでした。ここでは、中国、香港、台湾などの子会社や販売代理店への製品紹介を担う営業職に就きました。この仕事で6年の歳月を過ごし、さらなるキャリアアップを目指して、関西の電池メーカーへ転職しました。
転職後は、コイン型電池やボタン型電池の販売に携わることになりましたが、業務内容は前職と同様、自社製品を現地の子会社や販売代理店に紹介する役割を果たしています。この会社では、4年間で中国、台湾、インド、シンガポール、アメリカ向けの海外営業を経験し、さまざまな市場での営業スキルを磨いてきました。
転職のきっかけは？
2020年に結婚し、その時点で配偶者は大阪で勤務していましたが、元々は栃木の出身でした。そして2023年4月に、配偶者の栃木への異動が決定しました。これを機に、私も配偶者と共に栃木へ移住することを決意しました。
前職ではリモートワークでの勤務継続が可能だという提案を受けていましたが、将来を見据え、特に家族を持った際の生活や子育ての環境を考慮すると、栃木の企業への転職が望ましいと感じました。
実際に栃木に越してみると、その地の生活環境の良さに惹かれ、ここに長く住むことに魅力を感じました。そのため、新たな地でのキャリアを築くため、再転職を決意しました。この地で新しい生活をスタートさせることに、大きな期待と希望を抱いています。
今の会社に決めたポイントは？
コンサルタントを通じて紹介された数社の中から、現職を選んだ最大の理由は、自分の経験やスキルを存分に活かせると感じたからです。面接の際には、現在の職場の上司が具体的な話をしてくれ、想像していた海外営業の仕事が実際にできるという確信を持つことができました。
待遇やその他の条件も非常に満足のいくものであり、車での通勤の利便性や会社の規模など、あらゆる面で私の期待に応えるものでした。このため、迷うことなく現職への転職を決断することができ、全てのプロセスがスムーズに進みました。
転職して良かったと思うことは？
釣りをこれまで経験したことがなかったため、新たな知識に触れる機会が豊富にあり、顧客層も一新されたことで、仕事に対する新鮮な気持ちを持つことができています。職場の雰囲気は非常に開放的で、同僚たちは親しみやすく、仕事のことを丁寧に指導してくれます。特に、業務を理解しやすくするためにマニュアルを作成してくれるなど、そのサポートの手厚さには大変感謝しています。このような環境のおかげで、新しい職場にもすぐに馴染むことができ、仕事を通じて成長している実感があります。
生活面の変化はありましたか？
東京や関西での生活では電車移動が中心でしたが、栃木への移住後は、通勤や日常生活での移動に車を活用するようになりました。自宅から職場までは車で約30～40分の距離にあり、電車通勤時のストレスが、車の運転を通じて解消されています。
大都市圏に比べると、駅の距離も遠く、バスの本数も少ないですが、車が主な交通手段となるため、生活において不便を感じることはありません。閑静な住宅街での穏やかな生活は、精神的な安らぎをもたらしてくれています。
また、食生活においても、地元産の新鮮な野菜を身近な場所で手頃な価格で購入できるため、大きな満足感を得ています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
これまでの経験をベースにした仕事に就くにしろ、まったく違う仕事を選ぶにしろ、まず自分のやってきたことを振り返り、整理するのが転職活動の第一歩だと思います。
自分がやってきたことが分かってないと、次に進む道を探すための軸が定まらず、選択の基準がブレてしまいます。せっかく良い会社に巡り会えても決断できず、どんどん焦ってしまう、といったことも起こってくるでしょう。
焦らず、自分のペースで転職活動を進めるためにも、まずは自身を振り返り、方針を定めてください。納得して進めた結果なら、どんな決断だろうと後悔はないはずです。
