既卒で就職活動をするにあたって、「大手企業に就職するには新卒じゃないと無理なんだろうな……」と思っている方は多いかもしれません。しかし実は、新卒でなくても大手企業に就職することは可能です。むしろ、大手企業のほうが既卒採用を積極的に行っているという傾向もあります。ここでは、大手企業の既卒採用事情と、既卒で大手企業に就職するためのポイントについてご紹介していきます。
大手企業は中途採用に積極的
2010年に厚生労働省が「青少年雇用機会確保指針」を改正し、卒業後3年以内の既卒者を新卒枠で採用すべきとしたことから、既卒者を新卒枠で採用選考する企業は増えています。大手企業になるほど新卒の採用枠も大きくなるため、既卒者が採用されるチャンスも多いといえるでしょう。
「既卒も応募可能といっても、それは建前で実際には既卒は採用されないのでは?」と懸念される方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。実際に既卒者を採用している割合は、中小企業に比べて大企業のほうが高いというデータがあるのです。
これは人事ポータルサイトの「HRプロ」が実施した調査で、「新卒枠で既卒者を採用選考し、内定者も出た」とする企業が、従業員数1001名以上の企業では全体の36%、従業員数301名~1000名の企業は22%、従業員数300名以下の企業は10%となっています。つまり、従業員数が多い企業、すなわち大企業ほど既卒者を実際に採用していることがわかります。
大手企業になるほど、新卒の採用枠が大きく、さまざまな人材を採用する余裕があると言えるでしょう。
中途で大手企業に就職するためのポイントは?
大手企業に就職するチャンスは十分にありますが、もちろん競争率は高いです。競争を勝ち抜くために、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
中途入社を希望する理由をきちんと説明できるようにしておく
既卒者の採用面接では、必ず「なぜ新卒で就職しなかったのか」を問われます。この質問に対する回答で、企業の求める人材として適しているかを見極めるとともに、きちんと振り返りや自己分析ができているかを評価するためです。既卒になった理由や事情は人それぞれだと思いますが、明確な回答ができるように用意しておきましょう。このとき、マイナスな内容で回答が終わることがないよう意識するのがポイントです。就職していなかった間の経験や体験が、あなたにとってどのようなプラスの影響をもたらしてくれたかをじっくり考えてみましょう。
資格やスキル、経験を身につける
業種や職種によっては、資格やスキル、関連する業務のアルバイトでの経験があることで有利になる場合があります。新卒枠では即戦力が求められるわけではありませんが、こうした強みを作っておくことで、やる気のアピールにつながります。