転職先を決めることは人生を左右する大きな決断だからこそ、じっくりと企業研究を重ねて、「ここだ!」と思える1社に応募したい…と考えるのは当然の心理といえます。しかし、実際に転職に成功した人たちは、複数の企業に応募している割合が多いようです。転職成功者は何社に応募していた?自分に似たキャリアの人の平均応募社数は?そんな気になる実態をご紹介します。
転職成功者の「平均応募社数」は?
転職をかなえた人が、転職活動を始めてから内定までに応募した求人の数は平均して21.4社。全体のうち、84.0%の人が2社以上の企業に応募していました。さらに50.4%の人の応募社数は11社以上で、転職成功者の多くが積極的に求人応募を行うことで、内定を手にしているという実態が明らかになりました。
転職成功者に“複数応募”が多い理由
求人に応募した人の書類通過率と一次面接通過率を元に計算してみると、あくまで数字の上での話になりますが、「1社以上の内定を得るためには、4社の面接を受ける必要があり、そのためには19社の求人に応募する必要がある」ということが分かりました。また実際には、一次面接の先に二次面接や最終面接など、複数回の面接が設定されていることもあるため、内定獲得に必要な応募社数はさらに多くなります。こう考えると21.4社という平均応募社数も納得の数字といえます。結果、「転職成功者は複数応募する割合が多い」といえるのです。
“複数応募”のメリット
どれだけ入念に事前準備を行ったつもりでも、実際に選考が進む中で初めて見えてくることもあり、応募後に「思っていたことと違う…」と気づくケースは決して少なくはありません。企業とじかに接する機会が増えれば、求人情報からは読み取れなかった新たな魅力を発見できたり、会社の雰囲気や社員のチームワークなどを体感できるチャンスが増えたりするものです。自分では強みと思っていなかった実績が、“実は企業からは高く評価されるものだった”といった気づきにつながることも多々あります。複数応募することでそのような機会を得られることが増え、自身の転職活動を、より充実したものへと発展させられる可能性は大きくなります。
一社入魂はリスキー!同時並行で“複数応募”がオススメ
転職活動を続けていると、時に、「この選択が本当に正しいのか」「もっと自分に合った企業があるのでは」といった不安にとらわれてしまうことがあります。そんなときに、もし1社しか応募していなければ、判断の基準になるのはその1社のみ。不安を抱えながら前に進むか、すべてをリセットして一からやり直すかの二択しか道はありません。リセットしてもすぐに内定がもらえる保証もなく、選考結果は不採用…という事態が続けば、転職までの期間がどんどん長引いてしまうとともに、気持ちの切り替えも難しくなってしまいます。
一方で、複数の企業に応募していれば、それぞれを比較検討することで、自分にとっての譲れないことや希望の優先順位といった、さまざまな判断の軸が見えてくるものです。事実、転職をかなえた人の中からも、「獲得した内定に満足はしているが、もっといろいろな企業を見てみたかった」といった声は多く聞かれます。つまり、たくさんの選択肢の中から最善のものを選んだという納得感を持てるかどうかが、より満足度の高い転職活動を実現するためには欠かせないポイントとなっているのです。
「どうしても、この会社で働きたい」といった転職先への希望が明確な場合には、志望する会社に全力で応募するのも良いでしょう。ただ、もしあなたが納得できる転職をかなえたいと望んでいるのなら、より多くの企業と出会うためにも、積極的な行動を始めてみてはいかがでしょうか。