10年にわたり、大手OA機器メーカーで法人営業として活躍してきたHさん。クライアントへの提案や業務改善に日々励んでいたものの、会社の業績は年ごとにゆるやかに下降し続けるという厳しい現実に直面していました。そんな中、将来に対するぼんやりとした不安を感じつつ、気づけば33歳に。最初は「うまくいかなければ、現状維持でいいや」という軽い気持ちで転職活動をスタートさせたものの、転職エージェントとのやり取りを通じて、徐々に真剣に取り組むようになっていきました。
転職を考え始めた背景
10年の節目を迎え、新たなスタートを切る決意をしたきっかけを伺えますか?
実を言うと、転職の具体的な「これだ!」という明確な理由はありませんでした。学生時代から憧れていた大手メーカーに入社できたこと、営業という職種にも情熱を感じていましたし、職場環境は非常にフレンドリーで居心地の良さを感じていました。
それでも、なぜ転職を考えたのでしょうか?
徐々に、自社や業界全体に対する不安が頭をもたげてきました。デジタル化の波が押し寄せる中で、自社の主力商品の将来性が見えず、各地の営業成績も目標を下回る状況が続いていました。社内では常に厳しい空気が流れ、それが重苦しい雰囲気を作っていました。
さらに、身近な先輩たちの給与が停滞している現実や、管理職への昇進が遅いことなど、さまざまな要因が私の心に不安を蓄積させていきました。親しい同僚の転職成功や信頼していた上司の異動も、転職を考える大きなきっかけとなりました。
転職活動の始まりとその不安
30代になるまで、転職は頭をよぎらなかったのですか?
実は、30歳を迎える頃から「転職」という選択肢が心の片隅にありました。大手企業の安定は感じていましたが、将来への漠然とした不安が常にありました。社会人生活10年を迎え、「今が転職のタイミングかもしれない」と強く感じたんです。
実際に転職活動を開始したわけですね。
はい。転職活動は現職を続けながら慎重に行いました。しかし、30代の壁や、はっきりとした目標を持たずに活動を進める中での不安は大きかったです。多くの面接で落ち込むこともありましたが、その過程で自分自身やキャリアについて深く考える機会を得ました。
まとめ
漠然とした不安から始まった転職活動は、最終的には大きな成長の機会となりました。転職エージェントを通じて得た情報やアドバイスが、自分自身の立ち位置を再評価するきっかけにもなりました。今後のキャリアに対する前向きな姿勢は、新たな環境での成功への確かな一歩と言えるでしょう。