ここでは、第二新卒の転職活動の実態について詳しく解説します。
第二新卒の転職理由や、応募・内定までの期間【アンケート】
第二新卒の転職理由は?
ここまで、転職市場において第二新卒の需要が高まっている背景について説明してきました。
では、第二新卒の転職活動の実態はどうなのでしょうか?
2022年版の「転職動向調査」によると、第二新卒を含む20代の転職活動経験者に「転職活動を始めた理由」(選択式/複数回答)を聞くと、
男性
- 給与が低かった(22.6%)
- 仕事内容に不満があった(19.5%)
- 休日や残業時間などの待遇に不満があった(18.9%)
- 会社の将来性、安定性に不安があった(18.9%)
- 働く環境に不満があった(テレワーク、時差出勤制度など)(16.1%)
女性
- 仕事内容に不満があった(32.6%)
- 職場の人間関係が悪かった(31.7%)
- 給料が低かった(27.1%)
- 休日や残業時間などの待遇に不満があった(25.8%)
- 会社の将来性、安定性に不安があった(24.4%)
という回答が上位に。
理由は多岐にわたっていますが、第二新卒が仕事を辞めたいと感じる理由は、大きく分けて3つあるといわれています。
- 仕事内容
- 人間関係
- 労働条件
いずれの退職理由にしても、社会に出て働くこと自体が初めてであるため、イメージと現実とのギャップが生まれやすく、退職につながる傾向があるといわれています。また、「希望していた部署へ配属されなかった」などの要因もあるでしょう。
転職は短期決戦! 8割が応募から内定まで「2カ月未満」
また、転職を考え始めてから、現在の勤務先に応募するまでの期間を聞くと、20代男性の57.5%、20代女性の43.8%が「2カ月未満」と回答。
また、現在の勤務先に応募してから内定通知を受けるまでの期間は、男女共に80%以上が「2カ月未満」という結果に。一番高い割合は、20代男性で「2週間~1カ月未満(24.5%)」、20代女性で「1週間未満(28.8%)」でした(※7)。
就職活動は、インターンシップや会社説明会なども多く、半年以上の期間を掛けてじっくり行うことも可能ですが、転職活動は短期間で進むのが一般的。
一度に大勢の学生を選考する必要がある新卒採用に比べ選考フローが少なく、また欠員補充が背景にある場合など「早く人材を確保したい」と考える企業も多く、選考期間が短くなるからです。
もちろん、転職活動に掛ける期間に決まりや正解はないので、「在職中で、いい会社があれば転職したい」という場合はじっくり転職活動を行っても構いません。
「転職は簡単にできる」が約40%。転職を前向きに捉える傾向に
20代の転職経験者に「転職は簡単にできるか」聞いたところ、「そう思う」と回答した人が約40%。男女別に見ると、男性では「そう思う」が44.7%に対し「思わない」が25.5%だったものの、女性では「そう思う」が39.7%に対し、「思わない」が41.1%と、わずかですが「簡単にできない」と答えた人のほうが多いという結果に。
しかし、「転職は前向きな行動であるか」を聞いたところ、男女共に70%以上が「そう思う」と回答しています。 転職する、しないの判断には慎重になるべきですが、転職活動をすると決めたら具体的な計画を立てて前向きな気持ちで取り組みましょう!
第二新卒は「アピールすることがない」は大間違い!
履歴書や職務経歴書をはじめとする応募書類に「書くことがない」「何を書けば良いか分からない」と考え、転職活動が進まなくなってしまう人もいるでしょう。
しかし、心配する必要はありません。前章までで説明してきましたが、企業が第二新卒に求めるのは、ビジネスマナーを心得ていて、仕事に対する熱意や意欲があることです。
例えば、「前職での経験から自身の適性を発見し、今度はその仕事に全力で取り組みたい」という内容であれば、自己PRとして活用できます。
第二新卒が面接で伝えるべき「退職理由」とは?
第二新卒に限ったことではありませんが、本音の退職理由は、労働条件や仕事内容への不満など、“ネガティブな理由”であることが多いものです。
しかし面接では、「××が嫌だから転職したい」ではなく「〇〇がしたいから転職したい」と、前向きに働く自分を語る必要があります。
「前向きな退職理由が思い浮かばない」という人は、退職理由の原因となった“不満”を解消するために「どんな仕事や働き方をしたいのか」を探っていけば「本当にやりたいこと」や「仕事への価値観」も、おのずと見えてくるのではないでしょうか。
【参考】第二新卒のための面接対策
第二新卒は新卒と違い、ビジネスマナーを心得ていることが期待されています。したがって、面接時でも面接官に評価してもらえるように徹底してマナーを守りましょう。言葉遣いはもちろん、「見た目に清潔感があるか」や「立ち居振る舞いに失礼がないか」といったことは面接前にチェックしておく必要があります。
また、新卒時とは違い、「退職理由」を聞かれます。本当はネガティブな理由であっても、そのまま伝えるのではなく、ポジティブな言い回しに変換しましょう。
【退職理由のポジティブな言い回しの例】
・仕事内容に不満がある場合
現職では事務職として主に経理や給与計算を担当しながら、時に営業事務として資料作成のサポートなども任されていました。
営業部との仕事のなかでお客さまの希望・要望に触れる機会が増え、「お客さまの希望を実現する商品を企画したい」という気持ちが強まりました。
ただ、現職では事務職からの異動が難しいため、転職を決意した次第です。
注意! 第二新卒が転職活動を始める前にすべきこと
いざ転職活動を始めようと思っても、何から始めたらいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか?
実際に転職活動を始める前に注意すべきポイントを把握しましょう。
まずは転職で実現したいことを考えてから行動を
あなたが転職することで「変えたいこと」や「手に入れたいこと」を考えることからスタートしましょう。それが業種・職種・待遇・職場環境・福利厚生…… などにつながり、「どんな企業に応募したいか」という希望条件が見えてくるはずです。
それから自分の希望条件で求人を検索し、イメージと合っているか確認してみましょう。それらを繰り返すうちに、転職するうえで大切にしたいことが見えてきたり、希望にかなう求人と出合えるかもしれません。
また、この機会に自分の適性や適職についてじっくり考え、履歴書や自己PRを書いてみるのもおすすめ。将来やりたいことだけではなく、今のスキルを明確にしましょう。そうすることであなたが持つ強みや弱みが分かり、キャリアを描きやすくなるはずです。
第二新卒の転職は、一度社会に出ている分、新卒の時よりもミスマッチを起こしにくく、長く勤められる企業と出合える可能性も高いのではないでしょうか。だからこそ焦りは禁物。「何となく転職したい」という思いのまま転職活動を始めるのではなく、自分の転職先選びの基準を明確にしたうえで進めて、チャンスをつかみ取ってくださいね!
未経験の職種でも積極的にチャレンジを
一般的に中途採用では「即戦力となること」が重視されますが、第二新卒は卒業後1~3年という点から新卒に近いため、熱意やポテンシャルが重視されます。したがって、「この仕事をしたい」という熱い気持ちがあれば、未経験でも採用されることは十分に可能です。
「新卒ではないから……」と諦めるのではなく、未経験の業種でもまずはチャレンジしてみることが大切です。
まとめ
今回は、第二新卒が転職に適した時期である理由や、転職時にアピールすべきポイントについてご紹介しました。
新卒と同等のポテンシャルがあるうえに基礎的なビジネスマナーを習得している第二新卒は企業にとって人気の人材です。
一方、新卒で入った会社を退職していることから「退職理由」「仕事へのモチベーション」など、企業が気にする部分もあります。第二新卒ならではの面接内容についてポジティブな回答ができるように準備を進めることが大切です。
未経験の業種・職種であっても、熱意次第で採用される可能性はあります。「入社後数年で退職していると印象が悪いのでは?」などと不安にならず、まずは果敢にチャレンジしてみましょう。