【退職代行体験談】自分を守るために「逃げる」も大切。

高校を卒業してすぐの入社でした。当初は美容関連の仕事に強い関心を持っていましたが、高卒の立場からはなかなか望みの求人を見つけることが難しい現実に直面しました。その時、担当の先生との相談を経て、アパレル業界なら求人の選択肢が広がることを知りました。求人探しの方向性を。かつて愛用していたブランドの洋服を扱う企業を見つけたことで、その仕事に対して興味を抱き、新たな職場として選びました。

最初は大学進学を希望していました。しかし、大学生活を送るとなると、家庭の状況から、奨学金の借入が避けられない状態でした。将来を考えた時、もし大学時代をただ楽しむだけで終え、その結果として奨学金の返済という形で借金を抱えることになるなら、最初から就職を選ぶべきではないかという思いに至りました。

働き始める前は、女性だけの職場でちょっとしたすれ違いが多い環境を想像していました。でも実際に配属されたところは、雰囲気がとても良かったんです。ただ、いざ仕事が始まると、お客様を巡る競争や売り上げの争いがあって、それがいい意味での刺激にもなりました。だから、常に緊張感を持って仕事に取り組むことができましたね。

アパレル業界での仕事は、想像していた通り、接客やレジ対応が主な業務でした。そして、開店前にはお店をきれいにする掃除の時間があるのはもちろん、指定されたテーマや服に合わせたコーディネートを考える「トレーニング」の時間もありました。その時間は、自分のセンスを試す良い機会だったなって思います。

裏方の仕事は非常に大変でした。決まった曜日に新しい商品の服が段ボールで届きますので、それを在庫棚に運んだり、他の店舗で不足している商品を発送したりする作業がとても大変でした。営業時間中であっても、一人で終日裏で作業をすることが多く、精神的にも非常に苦労しました。

一つ目の問題は、給与の低さでした。勤務中には、店頭に並んでいる現行の商品のみを着用しなければならないという規則がありました。商品の入れ替えが頻繁に行われるため、購入した衣服もすぐに着用できなくなるのです。社員割引が適用されるとはいえ、毎月新しい衣服を購入する必要があるのは大変な負担でした。かつては仕事用の衣服をプライベートでも愛用していましたが、それも過去の話。結果として、家には着ない衣服が溜まっていき、それが苦痛でした。一人暮らしをしていたため、経済的にも非常に厳しい状況でした。

接客に対するモチベーションが下がってしまったのも大きな理由です。家に次第に溜まっていく洋服を目の当たりにすると、自分の消費行動が無駄に感じられるようになりました。お客様に対して心から思っていないことを伝えず、常に正直な感想をお伝えしてきた私にとって、自社の商品に魅力を感じられなくなることは、仕事において致命的な問題でした。100%の力を発揮できないことは、お客様にとっても、私自身にとっても許容できないことだと感じました。

確かに、毎月個々に設定される販売ノルマがあり、休日であっても社内SNSを通じて日々の売上連絡が行われていました。モチベーションが下がると成績に影響し、その結果を社内SNSで目の当たりにすることで、さらにモチベーションが落ち込むという悪循環に陥っていました。金銭面と精神面の両方で負担が増大し、この仕事を続けることが困難だと感じるようになりました。

退職を考えた時、まずは3年先輩に相談しましたが、強く引き止められてしまいました。先輩は自分自身の過去の経験を踏まえ、どうしても私を辞めさせないと強く言ってくれました。その相談が後日、店長にも伝わり、店長からも話を聞く機会がありました。退職については話を進めることになりましたが、「3ヶ月は残ってほしい」とのことでした。しかし、当時の私の精神状態を考えると、3ヶ月も職場に留まることは想像するだけで苦痛でした。そのため、退職代行サービスを利用する決断をしました。

不明な点があっても、迅速に回答をいただけたので、退職代行サービスを利用して本当に良かったと感じています。退職手続きに必要な連絡は本社からありましたが、SNSを通じたやり取りであれば私自身で対応できました。その結果、連絡を続けることで手続きをスムーズに完了することができました。

退職後は精神的な治療に専念していました。今は正社員にこだわらず、雑貨屋でアルバイトをしながら生計を立てています。

現在の職場は前の職場と比べて手取りの額が多いため、今のところ正社員になることは考えていません。アルバイトであればシフトの融通が利く利点もありますし、将来的に正社員として働きたくなった時や、魅力的な求人が出た場合に改めて考えるつもりです。

確かに、一つのことに長く取り組むことは素晴らしいですが、それにこだわり続けることが必ずしも良いとは限りません。退職したからといって人生が終わるわけではありませんし、精神的に苦しい状態で仕事を続けることの方がずっと辛いと感じます。逃げることが必要な時には、逃げる勇気も大切だということを実感しました。これが同世代や退職を検討している人たちにも伝わるといいなと思います。