Nさん(20代・男性・大阪府在住)はシステム開発エンジニアとして所属していた会社を退職した。
人間関係に問題はなく、周りのサポートもきちんとあったとのこと。
そんな環境の中で突発的に退職を決意した彼が、日々の業務に対して抱えていた想いを語ってもらいました。
前職でのお仕事内容
こんにちは、Nさん。よろしくお願いします。さっそくですが、Nさんはどういったお仕事をされてたんですか?
客先に常駐してシステムの開発をするエンジニアでした。いわゆるSESの会社に所属していました。
なるほど。その会社は1社目だったんですか?
いえ、現在の会社は3社目ですね。以前は工場で働いてました。
それはどういった工場だったんですか?
最初からお話させてもらうと、高校を卒業して、早くお金を稼ぎたかったので、特に大学や専門学校にも行かず、お菓子の工場に就職しました。
塗装系の工場?
そうです。近所に町工場がたくさんあったのでまずはそこに勤めて、いずれは技術的な工場に移って手に職をつけられればと思っていました。結構長きに渡って転職活動をしたんですけど、その結果、塗装の会社に就職できることになりました。
技術職に就くことが叶ったわけですね。
技術的な仕事ができるようになって、一緒に仕事をする方々も親切だったんですけど、仕事で塗料を使うんですよね。それを吸い込み続けたことで体調が悪くなってしまって。
たしかに、あれは身体に悪そうですね…。
毎年検査を受けるんですけど、どんどん結果が悪化していったんですよ。20代のこの年齢でこの結果だと、将来が不安というのもありましたし、長くは居られないのかなって思いました。それに、手取りの収入もあまり良くなかったというのもありました。頑張って休まず働いても月13万ぐらいだったので、20代中盤に差し掛かるところで、もう一度転職しようかな、と思いました。
そのタイミングでハードのエンジニアを辞めて、ソフトウェアのエンジニアになろうと思ったわけですか?
そのときはどういう業種に行くかというのは考えていなかったんですが、ハローワークの紹介を受けたインフラ系のエンジニアの会社を受けました。結局その会社には縁がなかったんですけど、その会社の社長に言われた「エンジニア職ってのは学歴とか関係なく頑張りで評価してもらえるよ」っていう言葉に感銘を受けたので、ITエンジニアとして就職しました。
その会社が今回退職した会社になるんですね。どんな会社だったんですか?
エンジニアが全体で20人くらいの小さな会社です。エンジニアはそれぞれ別の客先に常駐して、特に社内開発もありませんでした。
それでは社内の人との交流もあまり多くなかったんでしょうか?
月一回の帰社日に飲みに行ってたくらいですね。交流はそれほど多くなかったですが、良い方も多かったので人間関係に問題はありませんでした。
それでは、職場環境がそれほど悪かったというわけではないんですね。
そうですね。まあ、それでも直接退職を言い出すことはできなかったんですよね…
退職を考えはじめたきっかけ
そうみたいですね。では、どうしてその会社を辞めようと思ったのでしょうか?
プレッシャー、というか窮屈な思いをすることが増えたのがきっかけでしょうか。
窮屈な思い、というのは?
初めてひとりで現場に入ることがあって。ただ、そこは運用の業務だったんですけど、手順化やツール化されていたおかげでなかなかスキルアップには繋がらなくて。
Nさんが望んでいるものとは少し違う現場だったんですね。
そんな中で別の現場で働いていた先輩が辞めることになったので、「これはチャンスだ!」と思い、代わりにその現場に行かせてもらうことになりました。 ただ、その辞める先輩が現場で運用しているシステムを知り尽くしていた方だったんですよ。その代わりに入ってきたのが僕だったのでたくさん来る問い合わせに対応しきれないということがあって…
思いのほか大変な現場だったと。引き継ぎとかはなかったんですか?
その先輩は律儀な方だったので、現場に向けて資料を残してくれていたんですけど、僕のレベルだと中身を理解するのに時間がかかってしまって…。 そんな中でもう一人会社から先輩が現場に来ることになりまして。そこでさらに監視の目というか、プレッシャーを感じてしまって…
それで窮屈な思いを感じてしまったわけですね。
気にかけてくれていたというのは分かるんです。自分が心理的に弱いっていうのもあると思います。
その感じだと先輩のサポートはあったみたいですが?
サポートはありました。ただ、そのときはそのときで「申し訳ない」って思ってしまうというか…。
あー…分かります。
社員旅行があったんですよ。僕はその週も業務を抱えて困ってたんですが、先輩が「終わらなかったら俺も社員旅行行かずに手伝ってあげるよ」って。助けてもらえるのはありがたいんですけど、それ以上に「申し訳ないって感じてしまった。
なるほど。それでは、業務のレベルが一気に上ったことで辛くなってしまったことと、周りの方への申し訳なさっていうのが退職のきっかけでしょうか。
そうですね。
いざ辞めよう、と決めたときって何か出来事があったのでしょうか?
あなたのジンセイを利用したきっかけ
まず、退職代行のサービスがあること自体はなんとなく知っていたんですよ。
あ、そうだったんですね。それはSNSやWeb上で広告なんかを目にしていたということでしょうか?
そうです。だから、いざとなったときのお守りになれば、くらいには思っていたんですよね。
ちなみにそれはいつ頃でしょうか?
2022年の秋口くらいです。この頃からプレッシャーを感じ始めていて、でもまあ「行くしかない」という気持ちで日々頑張っていたんですが、ある日、会社に行こうとしたら突然過呼吸みたいになってしまって。
大変でしたね…。大丈夫でしたか?
実家だったので、親にとても心配されました。 そんな状況だったので突発的にあなたのジンセイさんにお願いしました。
お問い合わせをいただいて、その日のうちに会社にご連絡させていただきましたね。
そうですね。さっきもお守りって言いましたけど、突然使うことがあるだろうなと思っていて、職場に自分の仕事をまとめたものを用意してあったので、先輩がそれを確認できるようにパスワードと、「今までありがとうございました」というメールを送りました。
もしものとき、引き継ぎが行えるように準備はされていたんですね。
こういうことって、突発的に思い立ってしまうだろうなと思っていたので。
そうですね。ふっ、と糸が切れたように辞めたくなってしまうという人は多いと思います。
それでは最後に、次のステージに進みたい人たちへ一言お願いします。
次のステージに進むこと(辞めること)のハードルって高いと思います。でも、自分が進みたいって思ってるんだったら、その時点でその場にいる意味を見つけるのも難しいと思います。そこで頑張っても周りのためにはなるかもしれないけど、自分のためにはならない。 だったら早めに決断して、別のやりたいことを見つけたり、先へ進んで行っていいと思いますね。
まとめ
プレッシャーを感じることは人によって様々です。
それが果たして、周りのせいなのか、自分のせいなのかは分かりません。
しかし、そこにいるだけでプレッシャーを感じてしまう。そんな状況に居続けるよりは、先へ進んでいくこと、環境を変えることが自分のためなのかもしれません。