【実録退職代行】「コイツの評価は、部長の好きなようにやっちゃって下さい」

  • 30代で商社から大手メーカーに転職したAさんを待っていたトンデモナイ現実とは
退職代行あなたのジンセイ

今回は、30代で大手メーカーに転職したもののあまりのブラックぶりに、退職代行をつかって退職せざるを得なかったAさんの事例をご紹介します。(内容は個人情報に配慮して一部改変、脚色してあります。)

商社で身につけたスキルをつかったメーカーへの華麗なる転身

 AさんはいわゆるMARCHクラスの大学を出て、大学卒業後は中堅クラスの半導体専門商社に入社。会社の知名度は一般的には低いものの、業界では知らない人のいない専門商社で、主に海外製品の輸入販売関連業務を担当。入社後に一念発起して身につけた英会話力の助けもあって、海外ベンダーからの信頼も篤く、顧客企業からも頼りにされる存在となっていました。

 そんなAさんですが、実はF1が大好きで。、学生時代の就職志望は自動車関連業界のメーカー勤務。無我夢中で仕事に打ち込んだ20代を経て、30代になって仕事も余裕を持ってこなせるようになったある日、ふと求人広告に目を留めます。それは、学生時代にも応募して落ちたことのある大手タイヤメーカーの求人でした。

「今の自分ならあのときとは違う評価をもらえるかもしれない。」

 燃え上がる思いを抑えきれず、応募したAさんはその後とんとん拍子に内定を獲得し、会社の知名度も給与も上がる転職に家族も大賛成で、とうとう念願かなって夢であった自動車業界のメーカー勤務を叶えたのでした。

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ワクワクした入社、そして感じ始めた違和感

 いままで専門商社で培った経験を活かして存分に活躍してやろう。そう意気込んで入社したAさんでしたが、商社からメーカーへの転職では同じ営業職でも勝手はずいぶん違うもの。入社当初は特に、業務で色々と苦労するようになります。そんな中、高待遇で転職してきたAさんをよく思わない人がいました。そのメーカーで新卒から働き続けていて、Aさんの指導担当となったB係長です。

 B係長にとっては、会社の方針で新人としてある程度のベテランといっていい年齢のAさんを中途入社で受け入れたものの、そのまま行くと自分のライバルになる年齢のAさんの存在が面白くありません。B係長は英語が使えないために、Aさんが海外とのやり取りについて上司から直接任させるシーンが目立ったことも、B係長がAさんに敵意を抱く一因でした。

 B係長はだんだんAさんに仕事を教えなくなっていきます。そのことにAさんも少しずつ気がついていました。しかし、持ち前のコミュニケーション力で客先や社内の人々からのサポートを受けて仕事を回せるようになっていき、Bさんのことはすぐに気にしなくなっていってしまったのです。結果としてAさんはB係長を無視して仕事を進めるようになってしまっていました。

 そんなAさんの様子を見てB係長が面白く思うわけがありません。仕事でAさんにかなわないB係長は、自分を特にかわいがってくれている部長と結託してAさんの評定を低くすることを思いつきました。

「コイツの評価は部長の好きなようにやっちゃって下さい」

 Aさんもだんだんと気づき始めました。上司の上司である部長が妙に自分の仕事にケチを付けるようになったこと。うまくいきそうになると仕事を取り上げられてB係長がその仕事を担当するようになること。部署の仲間たちがだんだん自分に対してよそよそしい態度をとるようになったこと。

 おかしな、変だな、と思っていたある日、Aさんの目に信じられないものが飛び込んできました。それは、B係長のチームメンバーに関する評価についての、Bさんが部長さんあてに送るはずなのに、Aさん宛に誤送信したメールでした。そこにはチームメンバーひとりひとりについてよくできているポイントや評価項目などについて講評が書かれていましたが、Aさんについては一言「コイツの評価は部長の好きなようにやっちゃって下さい」と書かれていたのです。

 Aさんは眼の前が真っ暗になりました。B係長のこのような言い方は当然コンプライアンス上も問題ですが、それを部長が許しているということは部長も自分に対して同じような気持ちでいるということでしょう。感じていた違和感、不快感のすべてが一つにつながったような気持ちになりました。

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追い詰められたAさんの選択は

 Aさんはしばらくして夜眠れなくなりました。落ち込むことも多くなり、何もしていなくても涙が出てきて止まらなくなるようなこともありました。このままの環境に居続けると、Aさんにとってよくないことはもはや明らかでした。

 家族と相談したところ、条件が下がる可能性があることも考慮すると転職は心配という意見もあったものの、体調を崩してまで会社に留まる必要はないということで、転職することに賛成してもらえました。ただし、そのときに奥さんが出した条件は、転職の専門家である転職支援会社に相談すること、社風や内部事情について事前にきちんと説明を受け、転職支援会社のアドバイスも聞いて転職を決めること、というものでした。実は奥さんも数年前に転職したことがあり、そのときには転職支援会社のキャリアアドバイザーの意見を参考にして転職したので、いまでもそれをとても良かったと思っていたのです。

 そうと決まったAさんは、とにかくまず退職することにしました。いまのままの環境では体調を戻すこともままならず、しかも仕事も多忙であったため、転職活動に前向きに取り組むことが難しい環境だったからです。しかし、社内のルールでは退職はまず上司であるB係長、そして部長の承認を得る必要があります。ところが、B係長も部長も、相談があると言っても何かを察しているのか嫌がらせなのか、とにかく話し合う時間すら作ってもらえません。

 Aさんはどうしようもなく、会社の他の人や入社したときに世話になった人事部門の人にも相談してみましたが、社内のルールはまず係長に相談するところからだから、といわれるばかりで、何も進まないまま1ヶ月がたちました。Aさんは気持ちが焦るばかりでますます精神的に追い詰められていきました。

 結局、Aさんはどうしようもなくなって、これ以上精神的におかしくなる前にということで退職代行を使うことにしました。Webで検索した中でも価格が安く、しかも無料のキャリア支援サービスがある「あなたのジンセイ」はAさんにとってうってつけのサービスでした。

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退職代行を利用して退職

 結局、Aさんは退職代行会社に登録して、2週間で退職することができました。しかも、登録した日から1度も出社する必要はありませんでした。退職までの2週間というのは、Aさんの有給休暇を消化するための2週間でした。

 退職代行会社からは、会社からの連絡はすべて退職代行会社を通して受け取るので会社の連絡先はすべてブロックしていいと言われ、Aさんはそうしました。実際には、健康保険証の返却、退職届の提出、最後の給与明細の発行等人事部からの書類の郵送についての連絡があった程度で、B係長からも部長からも連絡はありませんでした。

 退職が決まってすぐにAさんは元気を取り戻し、キャリア支援のカウンセリングも受けて、多数の求人から厳選して紹介された会社数社に応募し、すぐに前職よりも良い待遇で内定を獲得することができました。転職支援会社のすすめで、内定承諾前に配属先部門長との面談も実施してもらい、会社はもちろん部署の内情やについても十分な説明を受けて納得して入社することができました。

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 退職の相談をしたときにAさんに「会社のルールだから」ということしか言ってくれなかった人たちは、必ずしもAさんの悪意を持っていたわけではありません。しかし、確かに社内のルールはそうなっていたのでその人達も、Aさんのことを思っても何もできなかったのは事実です。

 退職代行会社が、社内のルールを無視してAさんの退職手続きを進められたのは、社内のルールではなく、法律で決められた手続きにのっとってAさんの退職意向を企業に伝えたからでした。社内のルールよりも法律が優先されるのは当然ですが、「退職」ということに関して言えば法律通りの退職手続きのための退職意思の伝達を行うだけなら弁護士による「代理」でなくても、民間業者の「代行」で十分なのです。

 このメーカーは上場もしていて従業員数も数万人というような大企業でしたが、Aさんの退職はやはり退職代行の力なしには、ここまでスムーズに進めることは難しかったかもしれません。

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